カテゴリ: Spring 更新日: 2026/10/07

SpringDataJPAのJPAクエリメソッド「Or」の使い方を完全ガイド!初心者向け解説

SpringDataJPAのクエリメソッド(Or)
SpringDataJPAのクエリメソッド(Or)

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「SpringDataJPAで複数の条件のどちらかを満たすデータを取得したいんですけど、どうすればいいですか?」

先生

「それなら、Orを使ったクエリメソッドを利用するのが便利ですよ。複数の条件を柔軟に指定できます。」

生徒

「具体的にはどのように書けばいいんですか?」

先生

「それでは、サンプルコードを見ながら詳しく説明していきますね!」

1. Orとは?条件の「いずれか」を満たすデータを抽出する

1. Orとは?条件の「いずれか」を満たすデータを抽出する
1. Orとは?条件の「いずれか」を満たすデータを抽出する

Spring Data JPAのクエリメソッドで使われるOrは、SQLの「OR句」と同じ役割を持ち、複数の条件のうち、少なくとも1つに当てはまるデータを検索するために使用します。

例えば、プログラミング未経験の方でもイメージしやすいように、「会員リスト」から特定の人物を探すシーンを考えてみましょう。以下のような条件で検索したい場合にOrが活躍します。

  • 「名字」が『佐藤』、または「名前」が『太郎』の人を探す
  • 「住所」が『東京都』、または「住所」が『神奈川県』の人を探す

このように、どちらかの条件にさえヒットすれば結果に含めたいという場合に非常に便利です。Javaのコード上では、メソッド名にOrを含めるだけで、Spring Data JPAが自動的に適切なデータベース操作命令(SQL)を組み立ててくれます。

ここがポイント!
Orを使うことで、複雑な検索ロジックを自分で書く必要がなくなり、メソッド名を決めるだけで「柔軟なデータ抽出」が可能になります。

この機能を活用すれば、ユーザーが入力した複数のキーワードに対して、幅広くヒットするような「あいまい検索」に近い仕組みも簡単に実装でき、システムの利便性を大きく向上させることができます。

2. クエリメソッドの基本的な書き方

2. クエリメソッドの基本的な書き方
2. クエリメソッドの基本的な書き方

Spring Data JPAの「クエリメソッド」機能を使えば、SQL文を直接書かなくてもメソッド名だけでデータベース検索が可能です。プログラミング未経験の方でも直感的に理解しやすい、Or条件を使った基本的な書き方を見ていきましょう。

例えば、「名字(lastname)」または「名前(firstname)」のどちらかが一致するユーザーを検索したい場合は、以下のようにリポジトリに記述します。


public interface UserRepository extends JpaRepository<User, Long> {
    // 名字(lastname)または 名前(firstname)で検索するメソッド
    List<User> findByLastnameOrFirstname(String lastname, String firstname);
}

このメソッド名のルールは非常にシンプルです。findByの後に、検索したい項目名(プロパティ名)を記述し、条件を繋ぎたい場所にOrを挟むだけです。これにより、内部では自動的に「どちらかの条件を満たすデータを探す」という命令が実行されます。

初心者のためのコード解説:

  • List<User>:検索結果が複数になる可能性があるため、ユーザーの「リスト(一覧)」として受け取ります。
  • findBy...:Spring Data JPAに対して「〜を検索してください」と伝える決まり文句です。
  • 引数 (String lastname, ...):メソッドを呼び出す際に、実際に検索したい文字(「佐藤」や「太郎」など)を渡すための箱です。

このように、複雑なSQLコマンドを覚える必要がなく、英語の文章を読むような感覚でデータベース操作ができるのが、クエリメソッドの最大のメリットです。

3. JPQLでの動作イメージ(内部的な仕組み)

3. JPQLでの動作イメージ(内部的な仕組み)
3. JPQLでの動作イメージ(内部的な仕組み)

Spring Data JPAのクエリメソッド(findByLastnameOrFirstnameなど)を使うと、プログラムの裏側では自動的にJPQL(Java Persistence Query Language)というデータベース操作用の言語に変換されています。

プログラミング未経験の方でもイメージしやすいように、この「Or(または)」条件がどのように解釈されるか、具体的な変換例を見てみましょう。


-- 裏側で生成されているクエリのイメージ
SELECT u 
FROM User u 
WHERE u.lastname = ?1 
   OR u.firstname = ?2

このクエリは、データベースに対して「苗字(lastname)が一致するか、もしくは名前(firstname)が一致するデータがあれば、両方とも持ってきてください」という命令を出しています。

初心者向けの具体例で考えよう

例えば、名簿アプリで「佐藤(Lastname)」さんか「太郎(Firstname)」さんを探したい場合、この1つのメソッドを実行するだけで、以下のどちらかに当てはまる人を全員リストアップできます。

  • 苗字が「佐藤」さん(名前はなんでもOK)
  • 名前が「太郎」さん(苗字はなんでもOK)

このように、複雑なSQLを自分で書かなくても、メソッド名に「Or」を含めるだけでGoogle検索のような「どちらかのキーワードにヒットすればOK」という便利な検索機能が実現できるのです。


// 実際の利用イメージ:未経験者でもメソッドを呼ぶだけで検索完了!
// 「佐藤」または「太郎」という条件でユーザーリストを取得します
List<User> users = userRepository.findByLastnameOrFirstname("佐藤", "太郎");
    

4. 実際の使い方例:サービス層での実装手順

4. 実際の使い方例:サービス層での実装手順
4. 実際の使い方例:サービス層での実装手順

リポジトリに定義したfindByLastnameOrFirstnameメソッドは、そのままでは動作しません。実際のアプリケーション開発では、「サービス層(Service Class)」という場所でこのメソッドを呼び出し、ビジネスロジック(業務処理)として組み立てるのが一般的です。

プログラミング未経験の方でも分かりやすいよう、ユーザー情報を検索して結果を表示するシンプルなサンプルコードを見てみましょう。


@Service
public class UserService {
    // リポジトリを呼び出すための準備
    private final UserRepository userRepository;

    public UserService(UserRepository userRepository) {
        this.userRepository = userRepository;
    }

    /**
     * 名字(Lastname)または名前(Firstname)でユーザーを検索する
     * どちらか一方でも一致すれば、そのユーザーがリストで返されます
     */
    public List<User> searchUsers(String lastname, String firstname) {
        // Spring Data JPAが自動生成したメソッドを実行
        List<User> foundUsers = userRepository.findByLastnameOrFirstname(lastname, firstname);
        
        // 検索結果が空だった場合の処理などもここに追加できます
        if (foundUsers.isEmpty()) {
            System.out.println("該当するユーザーは見つかりませんでした。");
        }
        
        return foundUsers;
    }
}

このコードのポイント解説

  • @Service: このクラスが「業務処理を担当する特別なクラス」であることをSpring Bootに伝えます。
  • メソッドの役割: userRepository.findByLastnameOrFirstnameに「佐藤」と「太郎」という値を渡すと、内部で自動的に「名字が佐藤、または名前が太郎」という条件のSQLが発行されます。
  • List(リスト): 検索結果は1人とは限りません。複数ヒットする可能性があるため、複数のデータをまとめて扱えるList<User>という型で受け取ります。

このようにサービス層を挟むことで、将来的に「検索結果を並び替える」や「特定の権限を持つユーザーだけを表示する」といった複雑なルールを追加しやすくなり、保守性の高い(修正しやすい)プログラムになります。

5. Orを使うときの注意点

5. Orを使うときの注意点
5. Orを使うときの注意点

Spring Data JPAでOrキーワードを使う際は、便利さと引き換えにいくつか気をつけたいポイントがあります。特に、プログラミング初心者の方が陥りやすい「落とし穴」を整理して解説します。

1. 条件の増やしすぎによる「読みづらさ」

例えば、「名前が佐藤さん、または田中さん、または鈴木さん、または…」と条件が増えていくと、メソッド名が非常に長くなり、後で見返したときに内容が理解しにくくなります。これを「可読性の低下」と呼びます。

2. 実行スピード(パフォーマンス)への影響

Orでつなぐ条件があまりに多いと、データベースがデータを検索する際の負荷が高まり、アプリの動作が遅くなる原因になります。大量のデータを扱う場合は、別の書き方を検討する必要があります。

初心者向け:Orを使ったサンプルプログラム

以下の例は、「ユーザーのID」または「ユーザーの名前」のどちらかが一致するデータを検索する簡単な仕組みです。条件を2つに絞ることで、シンプルで使いやすいメソッドになっています。


public interface UserRepository extends JpaRepository<User, Long> {
    // ID(数字)か名前(文字)のどちらかが合致すればデータを取得します
    // メソッド名がそのまま検索条件になるのがSpring Data JPAの特徴です
    List<User> findByIdOrName(Long id, String name);
}

3. 正確なプロパティ名の指定

findByIdOrNameの「Id」や「Name」の部分は、Javaのクラス(Entity)で定義した変数名と一字一句同じである必要があります。大文字と小文字も区別されるため、注意深く入力しましょう。

もし、これ以上に複雑な条件(5つ以上のOrを組み合わせるなど)が必要になった場合は、@Queryというアノテーションを使って、直接SQL(データベースへの命令文)を書くステップに進むのがベストな判断です。

6. まとめ

6. まとめ
6. まとめ

今回の記事では、SpringDataJPAにおけるOrを使用したクエリメソッドについて学びました。Orは、指定した複数の条件のいずれかを満たすデータを柔軟に取得できる非常に便利な機能です。 JPQLの基本構造を理解し、クエリメソッドを正確に実装することで、必要なデータを効率的に検索できます。

また、サンプルコードを通じて、findByLastnameOrFirstnameメソッドがどのように動作し、どのようにサービス層で使用されるかを具体的に確認しました。さらに、実際の開発における注意点やパフォーマンスに関する考慮点についても詳しく説明しました。

以下に、もう一つの実用例を示します。


public interface ProductRepository extends JpaRepository<Product, Long> {
    List<Product> findByCategoryOrPriceGreaterThan(String category, BigDecimal price);
}

この例では、特定のカテゴリーの商品または価格が指定の値を超える商品を取得します。Orを使用することで、柔軟で直感的なクエリを簡単に記述できます。

この記事を参考に、Orを活用した効果的なデータ検索方法を実践してみてください。これにより、開発の効率とコードの可読性が大幅に向上するはずです。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「Orを使うと、複数の条件のどちらかを満たすデータを簡単に取得できるんですね!」

先生

「その通りです。例えば、姓または名のいずれかが一致するデータを検索するのに便利です。」

生徒

「でも、条件が多すぎるとパフォーマンスが下がることもあるんですね。」

先生

「そうです。その場合は、クエリの内容を見直したり、@Queryやネイティブクエリを利用することで対応できますよ。」

生徒

「分かりました!まずは基本的な使い方をしっかり練習してみます!」

この記事を読んだ人からの質問

この記事を読んだ人からの質問
この記事を読んだ人からの質問

プログラミング初心者からのよくある疑問/質問を解決します

Spring Data JPAのクエリメソッドで「Or」を使う目的は何ですか?初心者にもわかりやすく教えてください。

Spring Data JPAにおける「Or」キーワードの主な目的は、データベース検索において「複数の条件のうち、少なくとも一つの条件を満たすデータ」を柔軟に取得することです。例えば、ユーザー検索機能において「苗字が一致する」または「名前が一致する」といった、いずれかの条件に該当するレコードを抽出したい場合に非常に役立ちます。この機能を使うことで、Javaのコード上で複雑な分岐処理を書くことなく、メソッド名だけでデータベースへの検索命令を簡潔に定義できるのが大きなメリットです。初心者の方でも、リポジトリインターフェースに特定の命名規則に従ったメソッドを追加するだけで、効率的なデータ取得ロジックを実装できるようになります。

「findByLastnameOrFirstname」というメソッド名にはどのようなルールがあるのでしょうか?

このメソッド名は、Spring Data JPAの「クエリ派生」という強力な仕組みに基づいています。まず、検索を意味する「findBy」から始まり、その後に検索対象となるエンティティのプロパティ名である「Lastname」を記述します。次に、論理和を意味する「Or」を挟み、もう一つの検索条件であるプロパティ名「Firstname」を繋げます。重要なルールとして、プロパティ名の先頭は大文字にする必要があります。この規則に従ってメソッドを定義するだけで、Spring Data JPAが背後で自動的に「WHERE lastname = ? OR firstname = ?」というSQL文を生成して実行してくれます。プログラミング初心者が間違いやすいポイントとして、エンティティクラスで定義した変数名と、メソッド名内のプロパティ名が正確に一致している必要があるため注意が必要です。

クエリメソッドでOrを使う場合、引数の順番には決まりがありますか?

はい、クエリメソッドの引数の順番は、メソッド名の中に記述した条件(プロパティ名)の登場順序と完全に一致させる必要があります。例えば「findByLastnameOrFirstname(String lastname, String firstname)」というメソッドの場合、最初の引数がメソッド名の中の「Lastname」に対応し、二番目の引数が「Firstname」に対応します。もしこの引数の順番を逆にしてしまうと、検索条件と渡されるデータの値が食い違ってしまい、意図しない検索結果が返ってくる原因となります。初心者の方は、メソッド名で定義した条件の左側から順番に引数を設定することを常に意識しましょう。
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