カテゴリ: Java 更新日: 2026/01/09

Javaのラムダ式と匿名クラスの違いとは?オーバーライドとの関係も初心者向けにやさしく解説

【ラムダ式】匿名クラスとの違いとオーバーライドの関係
【ラムダ式】匿名クラスとの違いとオーバーライドの関係

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、Javaのラムダ式って匿名クラスと何が違うんですか?」

先生

「それはとても重要なポイントですね。どちらも似たように見えますが、書き方や動作の仕組みに大きな違いがあります。」

生徒

「ラムダ式は簡潔だけど、オーバーライドとかできるんですか?」

先生

「実はラムダ式はオーバーライドというより、関数型インターフェースの抽象メソッドを実装しているんです。では、違いを詳しく見ていきましょう。」

1. 匿名クラスとは?

1. 匿名クラスとは?
1. 匿名クラスとは?

匿名クラスとは、名前のないクラスを使ってインターフェースや抽象クラスのメソッドをオーバーライドして、その場で使う構文のことです。Javaではよくイベントリスナーやコールバック処理などで使われます。


Runnable r = new Runnable() {
    @Override
    public void run() {
        System.out.println("匿名クラスの実行");
    }
};
r.run();

このように、Runnableインターフェースを匿名クラスで実装し、その場でrun()をオーバーライドしています。

2. ラムダ式とは?

2. ラムダ式とは?
2. ラムダ式とは?

Java8以降で導入されたラムダ式は、関数型インターフェースの抽象メソッドを簡潔に実装するための記法です。上記のRunnableの例は、次のように書き換えられます。


Runnable r = () -> System.out.println("ラムダ式の実行");
r.run();

とても短くなりますね。ただし、ラムダ式は1つの抽象メソッドしか持たないインターフェース(関数型インターフェース)でしか使えないという制限があります。

3. オーバーライドとラムダ式の関係

3. オーバーライドとラムダ式の関係
3. オーバーライドとラムダ式の関係

匿名クラスはメソッドを「オーバーライド」して使いますが、ラムダ式は「関数型インターフェースの抽象メソッドを実装」するだけです。つまり、ラムダ式の中で@Overrideを使うことはありません。

また、匿名クラスは複数のメソッドを持つインターフェースでも利用できますが、ラムダ式は使えません。例えば、次のようなインターフェースではラムダ式は使えません。


interface MultiMethod {
    void method1();
    void method2();
}

この場合、匿名クラスなら対応可能ですが、ラムダ式はコンパイルエラーになります。

4. thisの挙動の違い

4. thisの挙動の違い
4. thisの挙動の違い

ラムダ式と匿名クラスの最大の違いのひとつに、thisの意味があります。匿名クラスの中でthisを使うと、その匿名クラス自身を指します。


Runnable r = new Runnable() {
    @Override
    public void run() {
        System.out.println(this.getClass().getName());
    }
};

一方、ラムダ式の中でthisを使うと、囲んでいるクラス(通常は外側のクラス)を指します。


Runnable r = () -> {
    System.out.println(this.getClass().getName());
};

このように、thisの意味が異なるため、オーバーライドなどの文脈では混同しないように注意が必要です。

5. スコープと変数の扱いの違い

5. スコープと変数の扱いの違い
5. スコープと変数の扱いの違い

匿名クラスでは内部で同じ変数名を再定義することができますが、ラムダ式ではスコープが外側と共有されるため、変数名が重複するとコンパイルエラーになります。


String msg = "Hello";
// 匿名クラスではOK
Runnable r1 = new Runnable() {
    @Override
    public void run() {
        String msg = "Hi"; // OK
        System.out.println(msg);
    }
};
// ラムダ式ではNG
Runnable r2 = () -> {
    // String msg = "Hi"; // コンパイルエラー
    System.out.println(msg);
};

この違いはスコープの設計に影響するため、実装時には意識しておくとトラブルを防げます。

6. どちらを使うべき?用途に応じて選ぼう

6. どちらを使うべき?用途に応じて選ぼう
6. どちらを使うべき?用途に応じて選ぼう

Javaの実務においては、ラムダ式と匿名クラスはそれぞれ適した場面があります。ラムダ式は簡潔さを重視した処理に適しており、イベントリスナーや短い関数のような用途に向いています。

一方で、複数メソッドを実装する必要がある場合や、thisを利用してオーバーライド元を参照したい場合は匿名クラスの方が適しています。

特にJava初心者のうちは、両者の書き方だけでなく「スコープ」「thisの意味」「メソッドの構成」なども合わせて理解することで、より安定したコーディングができるようになります。

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