カテゴリ: jsp 更新日: 2025/12/20

JSPの実行の流れをフローで理解!サーブレットとの関係性と処理順序を理解しよう

JSPの実行の流れをフローで理解!サーブレットとの関係性と処理順序を理解しよう
JSPの実行の流れをフローで理解!サーブレットとの関係性と処理順序を理解しよう

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「JSPってブラウザで表示できますけど、内部ではどうやって動いてるんですか?」

先生

「良い質問です。実はJSPはそのまま動いているわけではなくて、サーブレットというJavaクラスに変換されてから処理されているんですよ。」

生徒

「えっ!サーブレットに変換されるんですか?知らなかった…」

先生

「それでは、JSPとサーブレットの関係性や、JSPの実行処理の流れについて、フローと一緒に詳しく説明していきましょう。」

1. JSPとサーブレットの関係を知ろう

1. JSPとサーブレットの関係を知ろう
1. JSPとサーブレットの関係を知ろう

JSP(JavaServer Pages)は、WebアプリケーションでHTMLとJavaを組み合わせて動的なページを生成する仕組みです。一方、サーブレットはJavaのクラスであり、リクエストやレスポンスの処理をコードで記述します。

JSPは開発者にとってHTML感覚で書けるため扱いやすいですが、実際にはWebサーバー(例:Tomcat)によって自動的にJavaのサーブレットに変換され、その後Javaクラスとしてコンパイルされて実行されます。

つまり、JSPは「見た目はHTML、中身はサーブレット」という構造になっており、JSPの実行時には裏側で複雑な処理が行われているのです。

2. JSPの実行処理の流れをフローで見てみよう

2. JSPの実行処理の流れをフローで見てみよう
2. JSPの実行処理の流れをフローで見てみよう

JSPの実行にはいくつかのステップがあります。以下のような流れで処理が進みます。


[1] ブラウザからJSPファイルへリクエスト
             ↓
[2] JSPがサーブレット(Javaクラス)に変換される
             ↓
[3] 変換されたサーブレットがJavaクラスにコンパイルされる
             ↓
[4] コンパイルされたクラスが実行される
             ↓
[5] 実行結果(HTML)が生成される
             ↓
[6] ブラウザにHTMLとしてレスポンスが返る

※フローの例:リクエスト→JSP→サーブレット変換→クラスコンパイル→実行→レスポンス

  1. ブラウザからJSPファイルへリクエストが送信される
  2. JSPファイルがサーブレット(Javaクラス)に変換される
  3. 変換されたサーブレットがJavaクラスとしてコンパイルされる
  4. コンパイルされたクラスが実行され、HTMLが生成される
  5. 生成されたHTMLがレスポンスとしてブラウザに返る

このように、JSPは毎回サーブレットに変換されるわけではなく、最初の1回目のみ変換とコンパイルが行われ、次回以降はすでに生成済みのクラスが使われます。

3. JSPがサーブレットに変換されたときの中身は?

3. JSPがサーブレットに変換されたときの中身は?
3. JSPがサーブレットに変換されたときの中身は?

JSPファイルがサーブレットに変換されると、Javaのコードに置き換えられます。例えば、以下のようなJSPがあったとします。


<%@ page contentType="text/html; charset=UTF-8" %>
<html>
<body>
    <h1>こんにちは</h1>
    <p>現在時刻:<%= new java.util.Date() %></p>
</body>
</html>

このJSPは、次のようなJavaのサーブレットクラスに変換されます(簡略化した例です)。


public class HelloJSP extends HttpServlet {
    protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response)
        throws ServletException, IOException {
        response.setContentType("text/html;charset=UTF-8");
        PrintWriter out = response.getWriter();
        out.println("<html>");
        out.println("<body>");
        out.println("<h1>こんにちは</h1>");
        out.println("<p>現在時刻:" + new java.util.Date() + "</p>");
        out.println("</body>");
        out.println("</html>");
    }
}

このように、HTMLの内容がすべてout.printlnで出力されるJavaコードになります。開発者はこの変換を意識せずに、JSPファイルを記述するだけで簡単にページを作成できるのです。

4. JSP実行のタイミングとコンパイルキャッシュ

4. JSP実行のタイミングとコンパイルキャッシュ
4. JSP実行のタイミングとコンパイルキャッシュ

JSPファイルが初めて実行されるとき、Tomcatなどのサーバーは自動的に以下の処理を行います。

  • JSPをサーブレットに変換
  • サーブレットをJavaクラスとしてコンパイル
  • クラスをメモリ上にロードし、処理を実行

そして、一度変換されたサーブレットクラスは、同じJSPが再リクエストされたときに再利用されるため、処理が高速になります。

ただし、JSPファイルを変更すると、再度変換とコンパイルが行われるので、修正後の表示結果を確認する場合には、サーバーの再起動やキャッシュクリアも必要になることがあります。

5. サーブレットとJSPの使い分けを考えよう

5. サーブレットとJSPの使い分けを考えよう
5. サーブレットとJSPの使い分けを考えよう

JSPはHTMLの表示に向いており、サーブレットはロジックや処理に向いています。そのため、実際のWebアプリケーション開発では、次のように使い分けられることが多いです。

  • JSP:画面の表示、テンプレートとしての役割
  • サーブレット:データ処理、リクエストの振り分け、ビジネスロジックの実行

この考え方はMVCモデルと呼ばれ、現在のJSP+サーブレット開発では標準的なアーキテクチャです。

6. MVCモデルとJSP・サーブレットの関係

6. MVCモデルとJSP・サーブレットの関係
6. MVCモデルとJSP・サーブレットの関係

MVCとは、Model(モデル)、View(ビュー)、Controller(コントローラー)の略で、それぞれの責任を分けて開発する設計方法です。

  • Model:データベース処理、ビジネスロジック
  • View:JSPファイルでユーザーに表示する部分
  • Controller:サーブレットでリクエストを処理して適切なJSPへ転送

このように役割分担することで、保守性の高いWebアプリケーションを作ることができます。

まとめ

まとめ
まとめ

JSPの実行の流れを改めて振り返ってみると、表面上はHTMLファイルのように見えるJSPが、実際にはサーブレットへと変換され、コンパイルされ、最終的にブラウザへレスポンスを返すという仕組みの上に成り立っていることがよくわかります。普段何気なくJSPを開発していると、この背後で行われている変換処理やコンパイル処理を意識する機会は多くありませんが、動作の内部構造を理解することでJSPの強みや基本的な振る舞いをより深くつかむことができます。とくに、初回リクエスト時にサーブレット変換とコンパイルが行われ、その後は生成済みのクラスが再利用されるという点はパフォーマンスにも大きく影響し、開発中の挙動やキャッシュの扱いにも関連する重要なポイントです。

また、JSPがどのようにサーブレットのJavaコードへ変換されるのか、実際の変換例を見ることで、HTML部分がどのようなout.println()に置き換えられ、埋め込み式の部分がどのようにJavaコードとして評価されているかが具体的に理解できます。この仕組みを知っておくことで、JSP内部で行われる処理の流れが整理されるだけでなく、サーブレットとの関係性、さらにはMVCモデルの全体像もより明確になります。つまり、JSPはあくまでもビューの役割を担うもので、処理はサーブレットで行うという構造こそが、Webアプリケーションを適切に設計するための基本原則となるのです。

Webアプリケーション開発では、サーブレットがリクエストを受け取り、必要な処理を実行し、JSPへ画面表示を任せるという役割分担が定着しています。こうした構造はJSPとサーブレットの組み合わせによるMVCモデルを形成し、保守性や拡張性を高める設計として多くの開発現場で利用されています。今回の記事で触れた実行フローを理解しておくことで、処理の順序や内部の変換の仕組み、さらには変更がどのように反映されるかといった点が見えてくるため、デバッグや修正を行う際にも自信を持って取り組めるようになります。

最後に、JSPがどのように実行されているのかを確認するための簡易的なサンプルコードを掲載します。実行フローを意識しながら実際に動かしてみることで、内部処理がよりつかみやすくなるはずです。

サンプルプログラムで理解を深めよう

下記は、JSPの内部処理の流れを意識しながら表示内容を確認できるシンプルなサンプルです。


<%@ page contentType="text/html; charset=UTF-8" language="java" %>
<html>
<head>
    <title>実行フロー確認ページ</title>
</head>
<body>
<%
    String flowMessage = "JSPはサーブレットへ変換されてから実行されます";
    java.util.Date now = new java.util.Date();
%>

    <h2><%= flowMessage %></h2>
    <p>実行時刻:<%= now %></p>
    <p>このページが表示できているのは、サーブレット変換→コンパイル→実行→HTML生成という流れが処理されたという事です。</p>
</body>
</html>

このようなサンプルを通じて、JSPが内部でどのように動いているのか、その裏側にどのような変換処理があるのかを確かめながら学んでいくと、今後のサーブレット学習やMVCモデル理解の基礎として大いに役立つでしょう。Webアプリケーション全体の構造を把握することは、開発だけでなく運用や保守にも強い力となります。JSPの基本的な仕組みを理解することで、より深いJava Web開発の世界へ進むための土台が出来上がります。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「JSPってそのまま動くんじゃなくて、サーブレットに変換されてから実行されるっていう流れがよくわかりました!」

先生

「その理解はとても大切ですよ。実行フローを知っておくと、エラーの原因を探すときにも役立ちますし、変更が反映されない理由も把握しやすくなります。」

生徒

「サンプルのようにHTMLが全部out.printlnになるなんて、内部を見るとけっこう複雑なんですね……」

先生

「そうですね。でも開発者はそこを意識しなくても書けるようになっているのがJSPの魅力なんです。内部構造を知っておくことで、もっと正しく使えるようになりますよ。」

生徒

「MVCモデルでJSPがビュー、サーブレットがコントローラーっていう役割分担のイメージもついてきました。」

先生

「その理解は今後の開発にとても役立ちますよ。責務が分かれることでコードも整いやすくなりますからね。」

生徒

「実行フローを意識して学べたので、これからは仕組みをイメージしながらJSPを書けそうです!」

先生

「その調子です。仕組みを理解すると開発がどんどん楽しくなりますよ。」

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