カテゴリ: Servlet 更新日: 2026/02/11

JavaのHttpUpgradeHandlerとは?初心者向けにサーブレットのHTTPアップグレード処理を解説

HttpUpgradeHandler
HttpUpgradeHandler

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、JavaのServletでWebSocketを使うときって、どうやって普通のHTTP通信から切り替えるんですか?」

先生

「それにはHttpUpgradeHandlerというインターフェースを使うことで、通常のHTTP接続を他のプロトコルにアップグレードできるんです。」

生徒

「なるほど、ServletでWebSocketを使うための入り口になるんですね?」

先生

「その通りです!では、HttpUpgradeHandlerの基本を一緒に見ていきましょう。」

1. HttpUpgradeHandlerとは

1. HttpUpgradeHandlerとは
1. HttpUpgradeHandlerとは

Javaのjavax.servlet.http.HttpUpgradeHandlerインターフェースは、Servlet 3.1で導入された仕組みで、HTTP接続を別のプロトコルに切り替えるためのインターフェースです。たとえば、HTTPからWebSocketにアップグレードするといった場面で使用されます。

このインターフェースを実装することで、HTTPのアップグレード要求に応じてカスタム処理を提供することが可能になります。サーバーがクライアントからのアップグレード要求を受け入れると、ServletはHttpUpgradeHandlerに制御を移します。

2. HTTPアップグレードとは

2. HTTPアップグレードとは
2. HTTPアップグレードとは

HTTPアップグレードとは、クライアントとサーバーが最初にHTTPで通信を開始し、その後で別のプロトコル(たとえばWebSocketやHTTP/2)に通信方法を変更する仕組みです。HTTPのリクエストヘッダーにUpgradeという項目があり、それを用いてプロトコルを変更します。

Servletにおいては、HttpServletRequestupgradeメソッドを使って、接続をHttpUpgradeHandlerに渡すことができます。

3. HttpUpgradeHandlerのメソッド

3. HttpUpgradeHandlerのメソッド
3. HttpUpgradeHandlerのメソッド

HttpUpgradeHandlerは以下の2つのメソッドを定義しています:

  • init(WebConnection connection):アップグレード完了後、初期化処理を行うメソッド。
  • destroy():接続終了時に呼び出され、リソース解放などを行うメソッド。

この2つのメソッドを実装することで、HTTPアップグレード後の通信制御を細かく管理できます。

4. HttpUpgradeHandlerの基本的な実装例

4. HttpUpgradeHandlerの基本的な実装例
4. HttpUpgradeHandlerの基本的な実装例

以下は、HttpUpgradeHandlerを実装して、WebConnectionから入出力を行うシンプルな例です。


import jakarta.servlet.http.HttpUpgradeHandler;
import jakarta.servlet.http.WebConnection;

import java.io.InputStream;
import java.io.OutputStream;

public class EchoUpgradeHandler implements HttpUpgradeHandler {
    @Override
    public void init(WebConnection connection) {
        try (InputStream in = connection.getInputStream();
             OutputStream out = connection.getOutputStream()) {
            int data;
            while ((data = in.read()) != -1) {
                out.write(data); // 受け取ったデータをそのまま返す
            }
        } catch (Exception e) {
            e.printStackTrace();
        }
    }

    @Override
    public void destroy() {
        System.out.println("接続が終了しました。");
    }
}

5. upgradeメソッドの使用例

5. upgradeメソッドの使用例
5. upgradeメソッドの使用例

サーブレットのdoGetdoPostメソッド内で、リクエストに対してアップグレード処理を実行するには、HttpServletRequestupgradeメソッドを使います。


import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;

public class UpgradeServlet extends HttpServlet {
    @Override
    protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) {
        try {
            request.upgrade(EchoUpgradeHandler.class);
        } catch (Exception e) {
            e.printStackTrace();
        }
    }
}

このコードにより、HTTP接続がEchoUpgradeHandlerに渡され、アップグレードされた通信を処理できます。

6. WebSocketとの違いと連携

6. WebSocketとの違いと連携
6. WebSocketとの違いと連携

HttpUpgradeHandlerは、WebSocketのようなプロトコルにアップグレードするための低レベルの仕組みです。WebSocket API(javax.websocketパッケージ)を使えば、より簡単にWebSocketサーバーを実装できますが、その内部ではHttpUpgradeHandlerが使われています。

そのため、より柔軟に制御したい場合や、自前のプロトコル実装が必要な場合には、HttpUpgradeHandlerの知識が役立ちます。

7. 使用上の注意点

7. 使用上の注意点
7. 使用上の注意点

HttpUpgradeHandlerを使う場合、通信は非同期で行う必要があります。Servletの通常の同期処理とは異なり、長時間の接続維持やデータのリアルタイム送受信を行うため、スレッドやI/Oの管理に注意が必要です。

また、Servletコンテナのバージョンやサーバーの仕様によりサポート状況が異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

まとめ

まとめ
まとめ

HttpUpgradeHandlerで理解するサーブレットの通信進化

ここまでの記事では、JavaのServletにおけるHttpUpgradeHandlerについて、基本概念から実装例、そしてWebSocketとの関係性までを丁寧に見てきました。 従来のHTTP通信は、リクエストとレスポンスが一対一で完結する仕組みでしたが、リアルタイム性が求められる現代のWebアプリケーションでは、その制約が課題になる場面も少なくありません。 そこで登場するのが、HTTP接続を別のプロトコルへ切り替える「HTTPアップグレード」という考え方です。

HttpUpgradeHandlerは、Servlet 3.1で導入された仕組みであり、HTTP通信を起点として、その後の通信制御をアプリケーション側に委ねることができます。 このインターフェースを理解することで、WebSocketの内部動作をより深く把握できるだけでなく、独自プロトコルを実装する際の基礎知識としても役立ちます。 単に「使える」だけでなく、「なぜこの仕組みが存在するのか」を意識することが、Javaサーバーサイド技術を一段階引き上げるポイントになります。

HTTPアップグレードの流れを整理する

HTTPアップグレードは、最初から特別な通信を行うわけではありません。 まずは通常のHTTPリクエストとして接続が確立され、そのリクエストヘッダーに含まれるUpgrade情報をもとに、サーバー側が通信方式の変更を判断します。 Servletでは、HttpServletRequestupgradeメソッドを呼び出すことで、接続の制御をHttpUpgradeHandlerへ引き渡します。

この時点で、従来のServletライフサイクルとは異なる世界に入ります。 リクエストとレスポンスの枠を超え、ソケットに近い感覚で入出力ストリームを扱うため、I/O処理や接続管理に対する理解が重要になります。 記事内で紹介したように、initメソッドではWebConnectionを通じてストリームを取得し、通信処理を実装します。

サンプルプログラムで押さえる実装の要点

実装例として示したEchoUpgradeHandlerでは、受信したデータをそのまま返すシンプルな処理を行いました。 これは一見単純ですが、HTTPアップグレード後の通信がどのように行われるのかを理解するうえで、とても分かりやすい例です。 InputStreamOutputStreamを直接扱うことで、HTTPという枠組みを超えた通信制御を体感できます。


public class EchoUpgradeHandler implements HttpUpgradeHandler {
    @Override
    public void init(WebConnection connection) {
        try (InputStream in = connection.getInputStream();
             OutputStream out = connection.getOutputStream()) {
            int data;
            while ((data = in.read()) != -1) {
                out.write(data);
            }
        } catch (Exception e) {
            e.printStackTrace();
        }
    }

    @Override
    public void destroy() {
        System.out.println("接続が終了しました。");
    }
}

また、サーブレット側でupgradeメソッドを呼び出すことで、通常のHTTP処理からアップグレード処理へと自然に移行できます。 この流れを理解しておくことで、WebSocketやその他の双方向通信技術を学ぶ際のハードルが大きく下がります。

WebSocketとの関係を知る意味

実務では、WebSocket APIを直接利用するケースが多く、HttpUpgradeHandlerを意識する機会は少ないかもしれません。 しかし、WebSocketが内部でどのようにHTTPから切り替わっているのかを理解していると、トラブルシューティングや設計判断の質が大きく向上します。 特に、接続数が多いシステムやリアルタイム性が重要なサービスでは、通信モデルの理解が性能や安定性に直結します。

使用時の注意点を踏まえた設計意識

HttpUpgradeHandlerは強力な仕組みである一方、スレッド管理やリソース解放を誤ると、サーバー全体のパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。 長時間接続が前提となるため、非同期処理やエラーハンドリングを慎重に設計する必要があります。 記事で触れた注意点を踏まえ、単なるサンプル実装で終わらせず、実運用を意識したコードを書くことが重要です。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「HttpUpgradeHandlerって、ただの特殊なインターフェースかと思っていましたけど、 HTTPから別の通信に切り替えるための重要な仕組みなんですね。」

先生

「そうですね。WebSocketを便利に使うための裏側の技術、と考えると分かりやすいでしょう。」

生徒

「サンプルコードでストリームを直接扱うのを見て、 HTTPとは違うレベルで通信している感じがよく分かりました。」

先生

「その感覚が大切です。仕組みを理解していれば、 トラブルが起きたときにも原因を冷静に切り分けられますからね。」

生徒

「まずはWebSocketを使いつつ、内部でHttpUpgradeHandlerが使われていることを意識して、 もっと理解を深めていきたいと思います。」

先生

「それが一番の近道です。基礎を押さえたうえで実践を積み重ねていきましょう。」

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