カテゴリ: Servlet 更新日: 2026/02/02

JavaのCookieにドメインを設定する方法!setDomainメソッドの使い方を初心者向けに解説

CookieのsetDomainメソッド
CookieのsetDomainメソッド

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「先生、JavaのWebアプリでCookieを使うときに、他のサブドメインでも共有したいんですけど、できますか?」

先生

「はい、できます。CookieクラスのsetDomainメソッドを使えば、Cookieを特定のドメインやサブドメインに設定できますよ。」

生徒

「それって具体的にはどんなコードになるんですか?」

先生

「それでは、javax.servlet.http.CookieクラスのsetDomainメソッドについて詳しく見ていきましょう!」

1. JavaのCookieクラスとは?

1. JavaのCookieクラスとは?
1. JavaのCookieクラスとは?

Javaのjavax.servlet.http.Cookieクラスは、HTTP通信で使われるCookieをJava Servlet内で扱うためのクラスです。Webアプリケーションでセッション管理やユーザー情報の一時保存などに使われます。

このクラスを使えば、Cookieの作成、取得、設定が簡単に行えます。Cookieには名前と値だけでなく、有効期限、パス、セキュア属性、ドメインなども設定できます。

2. setDomainメソッドとは?

2. <code>setDomain</code>メソッドとは?
2. setDomainメソッドとは?

setDomainメソッドは、Cookieの対象ドメインを指定するためのメソッドです。このメソッドを使うことで、Cookieをサブドメイン間で共有することが可能になります。

例えば、example.comというドメインがあり、www.example.comshop.example.comでCookieを共有したい場合、setDomain(".example.com")と設定することで、両方のサブドメインで同じCookieが使えるようになります。

3. setDomainメソッドの構文と使い方

3. <code>setDomain</code>メソッドの構文と使い方
3. setDomainメソッドの構文と使い方

基本的な構文は次のとおりです。


Cookie cookie = new Cookie("userId", "abc123");
cookie.setDomain(".example.com");

このようにsetDomainにドメイン名を文字列で渡します。先頭にドット.を付けることで、そのドメインとすべてのサブドメインでCookieが有効になります。

4. Cookieを使ってドメイン共有するサンプルコード

4. Cookieを使ってドメイン共有するサンプルコード
4. Cookieを使ってドメイン共有するサンプルコード

ここでは、実際のJava ServletでCookieを設定して、ドメインを指定するサンプルを紹介します。


import java.io.IOException;
import javax.servlet.http.Cookie;
import javax.servlet.http.HttpServlet;
import javax.servlet.http.HttpServletRequest;
import javax.servlet.http.HttpServletResponse;

public class DomainCookieServlet extends HttpServlet {
    protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
        Cookie cookie = new Cookie("username", "taro");
        cookie.setDomain(".example.com"); // サブドメイン全体で有効
        cookie.setPath("/"); // 全パスで有効
        response.addCookie(cookie);

        response.getWriter().println("Cookieが設定されました。");
    }
}

このコードは、クライアントに対してusernameという名前のCookieを送信し、それが.example.comというドメインで有効になるように設定しています。

5. setDomainを使う際の注意点

5. <code>setDomain</code>を使う際の注意点
5. setDomainを使う際の注意点

setDomainを使用するときには、いくつかの注意点があります。

  • クロスドメイン(異なるドメイン間)では使えません。ドメインが共通している必要があります。
  • ドメインの先頭に「.(ドット)」をつけない場合、指定した完全一致のドメインにしかCookieが送信されません。
  • ブラウザのセキュリティ制限によって、setDomainの設定が無視されることがあります。

6. Cookieのドメインとパスの関係

6. Cookieのドメインとパスの関係
6. Cookieのドメインとパスの関係

setDomainと同様に、CookieにはsetPathメソッドで有効なパスを設定できます。ドメインが広ければ広いほどCookieは多くの場所で使えますが、必要最小限にすることでセキュリティやパフォーマンスの観点からも適切です。

例えば、setDomain(".example.com")かつsetPath("/shop")とすれば、shop.example.com以下の/shopディレクトリ内でのみCookieが有効になります。

7. Cookieの確認方法(開発者ツール)

7. Cookieの確認方法(開発者ツール)
7. Cookieの確認方法(開発者ツール)

Cookieが正しくドメインに設定されているかを確認するには、ブラウザの開発者ツールを使用します。

Google Chromeでは、ページを開いた状態でF12を押し、「Application」タブ →「Cookies」から確認できます。設定されたドメインが正しいかどうかをここでチェックできます。

8. 実行結果の例

8. 実行結果の例
8. 実行結果の例

上記のServletを実行すると、以下のようなHTTPレスポンスヘッダーがブラウザに送信されます。


Set-Cookie: username=taro; Domain=.example.com; Path=/

このように、Cookieのドメインとパスが指定された形でクライアントに送信されることが確認できます。

9. こんなときにsetDomainが役立つ

9. こんなときに<code>setDomain</code>が役立つ
9. こんなときにsetDomainが役立つ

以下のようなケースでsetDomainは非常に便利です。

  • 本サイト(www.example.com)とショップサイト(shop.example.com)でユーザーログイン情報を共有したい
  • 広告配信のため、サブドメイン間でユーザー情報を一元管理したい
  • 言語や地域によってサブドメインを分けているWebサービスで、共通Cookieを利用したい

こういったユースケースでは、setDomainを使ってCookieの有効範囲を広げることで、ユーザーにとってスムーズな体験を提供できます。

まとめ

まとめ
まとめ

今回の記事では、JavaのWeb開発における重要な要素である「Cookie(クッキー)」、特にその有効範囲を制御するためのsetDomainメソッドに焦点を当てて解説してきました。サーバーサイドのJava(Servlet/JSPなど)において、クライアントのブラウザに情報を一時的に保存させるCookieは、ユーザーの利便性を向上させるために欠かせない技術です。その中でも「ドメイン設定」は、大規模なWebサービスや複数のサブドメインを持つプロジェクトにおいて、設計の根幹に関わる重要なポイントとなります。

JavaにおけるCookie操作の重要ポイント

JavaでCookieを扱う際には、javax.servlet.http.Cookieクラスを利用します。基本的な流れは、コンストラクタで名前と値を指定してインスタンスを作成し、必要な属性(有効期限、パス、セキュア設定など)を付与してから、HttpServletResponseaddCookieメソッドでレスポンスに含めるというものです。

ここで多くの初心者が躓きやすいのが、「Cookieがなぜか特定のページで読み取れない」「別のサブドメインに移動するとCookieが消えてしまう」といった現象です。これは、Cookieのデフォルトの挙動として、そのCookieを発行したドメインおよびパスの範囲内でしか有効にならないという制限があるためです。この制限を柔軟にコントロールし、システム全体の連携をスムーズにするのがsetDomainメソッドの役割です。

setDomainメソッドによるサブドメイン間共有の仕組み

現代のWebサービスでは、機能ごとにサブドメインを分ける運用が一般的です。例えば、ブログサイトならblog.example.com、ECサイトならshop.example.com、マイページならmypage.example.comといった形です。しかし、これらはブラウザ側から見れば異なるオリジンとして扱われるため、標準設定のままでは「ブログでログインしたのに、ショップに行くとログアウト状態になっている」という不便な事態を招きます。

setDomain(".example.com")と設定することで、これらのサブドメインすべてにCookieを波及させることができます。ドット(.)から始まるドメイン指定は、その親ドメインおよび配下のすべてのサブドメインを対象にするという命令になります。これにより、シングルサインオン(SSO)のような、一つのログイン状態で複数のサービスを行き来できる仕組みが実現可能になるのです。

実践的なサンプルプログラム:複数の属性を組み合わせる

実際の開発現場では、setDomain単体ではなく、セキュリティを高めるための他のメソッドと併用することが推奨されます。以下のサンプルでは、セキュリティ属性を追加しつつ、ドメインを共有する実装例を示します。


import java.io.IOException;
import javax.servlet.http.Cookie;
import javax.servlet.http.HttpServlet;
import javax.servlet.http.HttpServletRequest;
import javax.servlet.http.HttpServletResponse;

/**
 * ユーザーのセッション識別子をサブドメイン間で共有するためのサーブレット例
 */
public class AdvancedCookieServlet extends HttpServlet {
    @Override
    protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
        // 1. クッキーの作成(名前: sessionToken, 値: ランダムなID)
        Cookie sessionCookie = new Cookie("sessionToken", "XYZ987654321");

        // 2. ドメインの設定(例:.test-app.jp を指定することで app1.test-app.jp でも有効にする)
        // ※注意:ローカル環境(localhost)ではドメイン指定が正しく動作しない場合があります
        sessionCookie.setDomain(".test-app.jp");

        // 3. パスの設定(サイト全体で有効にする場合は "/")
        sessionCookie.setPath("/");

        // 4. 有効期限の設定(秒単位:ここでは1日間有効とする)
        sessionCookie.setMaxAge(60 * 60 * 24);

        // 5. セキュリティ設定
        // HTTPS通信のみで送信を許可する場合(推奨)
        sessionCookie.setSecure(true);
        // JavaScriptからのアクセスを禁止し、XSS対策を行う
        sessionCookie.setHttpOnly(true);

        // 6. レスポンスにCookieを追加
        response.addCookie(sessionCookie);

        response.setContentType("text/html;charset=UTF-8");
        response.getWriter().println("<p>セキュアな共有Cookieをセットしました。</p>");
    }
}

このコードでは、setHttpOnly(true)を加えることで、クロスサイトスクリプティング(XSS)によるCookieの盗難リスクを低減させています。ドメインを広げるということは、それだけ情報の露出範囲も広がるということですので、こうした防御策をセットで覚えることが「プロのエンジニア」への第一歩となります。

運用上の注意点とトラブルシューティング

setDomainを利用する際に、開発者がよく遭遇するトラブルがいくつかあります。

  • ローカル開発環境での動作: ブラウザの仕様上、localhostに対してsetDomainを指定しても無視されることがあります。ローカルでのテスト時はドメイン設定を外すか、/etc/hostsファイルなどで擬似的なドメインを設定して検証する必要があります。
  • ドットの有無: 以前の古いRFC仕様では先頭のドットが必須でしたが、最新の仕様(RFC 6265など)ではドットの有無にかかわらずサブドメインを包含するように扱うブラウザも増えています。しかし、依然として互換性のために.example.comのようにドットを付ける記述が広く普及しています。
  • セキュリティリスク: .com.co.jpといったパブリックサフィックス(多くの人が共有するドメイン)に対してCookieを設定することは、ブラウザのポリシーにより禁止されています。これが許可されると、全く無関係な他人のサイトに自分のCookieが送信されてしまうからです。

まとめとしての振り返り

JavaのsetDomainメソッドは、単なる機能の一つという以上に、Webサイトのアーキテクチャを決定付ける重要な役割を持っています。ユーザーにストレスを感じさせないシームレスなサービス連携を実現するためには、Cookieの有効範囲を適切に設計することが不可欠です。本記事で学んだ「ドメイン共有の仕組み」「具体的な実装コード」「セキュリティへの配慮」を武器に、より高度なWebアプリケーション開発に挑戦してみてください。まずは開発者ツールを開き、自分が普段使っているサービスがどのようなドメイン設定でCookieを管理しているか観察してみるのも、非常に良い勉強になります。

先生と生徒の振り返り会話

生徒

「先生、ありがとうございました!setDomainを使えば、バラバラのサブドメインで作っている複数のサイトが、まるで一つの大きなサイトみたいに繋がるんですね。ログイン情報の共有ができる仕組みがよく分かりました。」

先生

「その通りです。大規模なプラットフォームでは、このドメイン設定を使ってユーザー体験を損なわないように工夫しているんですよ。ただ、コードの中で注意点として挙げた『セキュリティ』についてはどう感じましたか?」

生徒

「はい、便利になる一方で、Cookieの有効範囲を広げるということは、それだけ情報が漏れるリスクも増えるってことですよね。サンプルコードにあったsetHttpOnlysetSecureもセットで使うように習慣づけます!」

先生

「素晴らしいですね。エンジニアにとって『便利さ』と『安全性』は常にセットで考えるべき課題です。特にJava Servletの世界では、こうした細かい設定を一つずつ自分で制御できるのが面白いところでもあり、責任があるところでもあります。」

生徒

「あと、ローカル環境で試した時に動かなくて焦ったんですけど、localhostだと挙動が違うこともあるんですね。まずは実際のサーバーに近いドメイン環境をイメージして設計してみます。」

先生

「いい気づきですね。実際の開発現場では、ステージング環境などでドメインの挙動をしっかりテストすることが多いですよ。これからCookieを扱うときは、常に『このデータの有効範囲はどこまでか?』を意識してみてください。そうすれば、予期せぬバグも減らせるはずです。」

生徒

「わかりました!次はパス設定のsetPathについても、ドメイン設定と組み合わせて最適な範囲を探ってみたいと思います。ありがとうございました!」

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